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週末草野球プレーヤーの体調管理:居酒屋は敵か味方か!?

岡田トレーナー   4つ目のテーマは食事です。長く草野球を楽しむためにも、少年野球でガンガン活躍するためにも健康な強い肉体は必要不可欠です。カラダが資本。その肉体を発達させまた維持するのに栄養の補給、つまり食事についても知識を持っておくことは大切です。今回は、草野球オヤジにとって身近な居酒屋活用法、少年野球の子供たちに配慮してあげたい食生活のポイントについて解説します。

  さて、今日のテーマは『食事』です。
週末草野球プレーヤーの皆さん、試合を控えた金曜日、ちょっと残業して遅めの夕食、選択肢は定食屋さんか居酒屋さん。どちらを選びますか?

  現実はついつい居酒屋だけど、試合考えたら定食にしておくべきだよな。って思ってませんか?いえいえ、実は居酒屋の方がいいパフォーマンスを発揮できる効果的な栄養摂取が可能なんです。もちろん頼み方次第ですけどね。
定食ですと、当然のことながらご飯が必ず付いてきますよね。炭水化物による糖質カロリーの摂取をどう考えるか、ここがポイントです。

1.『PFCバランス』について知っておこう

  我々ヒトにとってのエネルギー、つまりカロリー源は、大きく分けて3つあります。
たんぱく質(Protein)・脂質(Fat)・糖質(Carbohydrate)、この“PFCバランス”を考えたエネルギー摂取が必要です。言わずもがなですが、たんぱく質の代表選手は肉や魚・乳製品、脂質は肉の脂・揚げ物・大豆など。糖質は炭水化物や糖分、つまり主食であるごはんやパンですね。

定食(草野球・少年野球プレイヤーの食生活)   通常の生活では、当然これらをバランスよく摂取すべきだと言われています。脂質が高いと生活習慣病のリスクが高まりますし、逆に脂質やたんぱく質の割合が低すぎると病気に対する抵抗力が弱まってしまいます。

  マラソンとかでは、試合前数日間は『カーボローディング』と称して、炭水化物を多めに摂取します。パスタやお米・パン等ですね。目的はエネルギー(グリコーゲン)をより多く体に貯蔵し持久力を最大限に発揮する事にあります。

  この観点で草野球を考えてみましょう。

2.草野球の試合前日、居酒屋での栄養補給とは?

  野球というスポーツは、いわゆる『スタミナ』を必要とするポジションは投手と捕手くらいで、多くのポジションは、持久力より瞬発力、いかにして集中力を高め、ここという時にパワーを発揮するか。その方が重要になります。

  ですから、スタミナ不足を感じている皆さんは、水曜日あたりからお米やうどん・パスタをしっかり食べてカーボローディングしておく事も効果的かもしれません。ただし、夜ではなく朝か昼。夜の過剰なカロリー摂取は寝ている間に必要以上に太って重くなってしまいますよ。

  瞬発系競技・野球の特性を考えれば重要なのはたんぱく質になります。肉や魚です。筋肉の基となる栄養分です。たんぱく質は分解されアミノ酸になり、筋肉に蓄えられます。スピード、瞬発力といった短い時間のハイパワーを発揮するのに必要なエネルギー源、というわけです。

  そこで、サラリーマン草野球アスリートに送る居酒屋活用法です(笑)。摂取する栄養を自ら吟味して自由にオーダーできるのが居酒屋です。炭水化物を控えめにして、肉や魚を多めに食べられます。ただし、脂質の過剰摂取はもってのほかですから、揚げ物や脂身は厳禁です!鳥のささみなんて理想的ですね。タコ・イカ最高!意外なところでは、豆腐や納豆は一般に体に良いもの、っていうイメージですが、植物性とはいえ脂質も多く含んでいます。アボガドも。摂り過ぎは良くありません。要注意ですね。

3.草野球、試合中のエネルギー補給・試合後の疲労回復

  最近は、いろんなサプリメントやスポーツドリンクが販売されています。これらも、週末草野球プレーヤーにとっては頼もしい味方です。お勧めとして代表的なのはBCAA(アミノ酸の一種)です。運動時に、筋肉にグリコーゲンが不足すると、筋肉のたんぱく質のアミノ酸が分解されエネルギー源となります。そうなんです。なんと運動のしすぎは筋肉自体が痩せてしまうってことなんです。栄養補給と休養が必要って事ですね。BCAAは、運動中に素早くエネルギー源となり、筋肉の分解を抑制してくれます。すなわち疲労が少ないという事。併せて、BCAAは筋肉の合成を促進させる働きもありますから、疲労回復を早めてくれるわけです。他のサプリメントで、瞬発力を高めてくれるのはクレアチン。試合前に摂取すると効果的です。

サプリメント(草野球・少年野球プレイヤーの食生活)  更にもう一点挙げるとすれば、ミネラル分の補給でしょうか。カリウム・ナトリウム等ミネラル分の不足は筋肉の痙攣や肉離れを誘発しやすくなります。特にこれからの季節は汗で塩分・ミネラルが体外に排出されがちですから、熱中症対策も兼ねてスポーツドリンクやバナナ、トマト、塩飴・・ミネラルの補給は必ず心がけましょう。ここ数年、夏は異常な暑さになっています。灼熱のグランドで2時間の試合を乗り切るには気合だけでは危険です。対策が必要です。熱くなったカラダを適度に冷やす事と失ったミネラルを補給する事。これ、重要ですよ。場合によっては命に関わる、そのくらいの猛暑です。草野球・少年野球を舐めてはいけません。

4.まとめ

  いかがでしょうか?これが試合を控えた週末でも堂々と居酒屋に行ける合理的な理由、です。『明日試合だぞ!』『だからこそ居酒屋なんです。』そんな会話を交わした翌日、大活躍すれば一躍ヒーローです。スーパー草野球オヤジの称号目指してしっかり考えた食生活を。きちんと知識のある選手にとって単品でオーダーできる居酒屋さんは、きちんと考えて摂取すれば、実に効果的な体つくりが可能です。まぁ、飲んでるうちにそれも忘れて締めにラーメン!ってこれ、最悪のパターンなんですけどね。

  サラリーマンにとっての栄養補給前線基地、居酒屋を週末草野球アスリートの味方にできるか否か。それは活用の仕方次第。ストイックになり過ぎず、お付き合いも大切にしながら、充実した草野球ライフも両立する。素晴らしいじゃないですか!
  ともあれ、怪我を防いで楽しく草野球を楽しむためには、食事によるコンディション調整はとても重要です。今日のお話し、是非参考にしてみてください。

5.おまけ

  でも居酒屋さんに行くとやっぱりお酒を飲まないわけにはいかない・・・そりゃそうですよね。で、あれば・・・

サワーやカクテルは非常に糖分が高く、あまりお勧めできません。日本酒、ワイン、ビールも同様。焼酎やウイスキー、つまり蒸留酒がいいでしょう。1杯目はビールでも、2杯目からはウーロンハイで乾杯!これが草野球アスリートの土俵際での明日への粘り腰?です。

繰り返しますが、締めのラーメン、チャーハン、これ最悪ですからね。踏みとどまれる意識だけは持っていただきたい。打ちたければ、走りたければ、勝ちたければ帰って少しでも寝ましょう!容赦ない炎天下のグランドがあなたを待ってますよ。

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育ち盛りの少年野球選手に気をつけてあげたい食生活とは?

  先日、週末草野球プレーヤーの為の栄養摂取のお話をさせていただきました。必ずしもお米やパンといった炭水化物が野球というスポーツにとってベストなエネルギー源では無い事、おわかりいただけたかと思います。今回は、少し視点を変えて、今まさに育ち盛りの少年野球の選手達の食生活について考えてみましょう。監督さんやコーチ、父兄の皆さんのお役にたてれば幸いです。

1.少年野球。バランスのとれた食事で大きくたくましく育てよう。

image1(草野球・少年野球プレイヤーの食生活)   少年野球選手の場合は、試合に照準を合わせてベストなパフォーマンスを発揮できる状態にする事もさることながら、長期的な視点で、強靭で、かつたくましい体づくりをサポートしてあげる事を考える必要があります。日々のトレーニングも重要ですが、それを支えるこの時期の栄養補給は非常に重要です。

  おやじ編でも述べたように、ヒトのエネルギー源は、”PFC”で表わされる3種類に集約されます。

たんぱく質(Protein) ・ 脂質(Fat) ・ 糖質(Carbohydrate)

グラフ(草野球・少年野球プレイヤーの食生活)   当然のことながら、発育盛りの少年はこれらをバランスよく摂取する事がとても重要です。一般に、理想的なPFCバランスは、炭水化物60〜65%、たんぱく質15〜20%、脂質20〜25%位だと言われています。活発に運動をしている子供は、当然相応のカロリー摂取が必要ですが、この3大栄養素のどれで摂るか。いつ摂るか。そこが工夫のポイントになります。

2.体質によって工夫を。タイミングも大切!

  成長のタイミングや体質によっても考えるべきポイントが変わります。例えばちょっと太り気味のお子さんの場合、まず考えたいのは脂質の摂取量です。揚げ物、脂身、なるべく抑えるようにした方がよいでしょう。筋肉は維持しつつ、体脂肪を減らしていく方向でバランス調整したいところです。
  一方、身長は急激に伸びたけれどもまだまだ線が細い選手の場合は、積極的なたんぱく質摂取で筋肉を太くたくましくしたいところです。とかく育ちざかりのお子さんはたんぱく質不足になりがちです。場合によってはプロテインを飲む事も良いかもしれません。

  それと、重要なのが栄養摂取のタイミングです。私たちの食生活は、とかく夕食が一番豪華になりがちですが、夜カロリーを摂り過ぎるのは肥満につながります。すぐにエネルギーに変換される糖質=炭水化物は朝こそ多めに。夜はご飯をばんばんおかわりするよりは、おかずを中心に食べさせてあげるのが正解かと思います。体の組織を作るたんぱく質をたっぷり摂らせてあげましょう。
image2(草野球・少年野球プレイヤーの食生活)   朝練で頑張る少年は、眠いから、早いからと言って朝ご飯抜きは厳禁と言えるでしょう。糖質をしっかり摂取してから練習に臨むべし。栄養補給なしでの練習で筋肉を消耗してしまっては逆効果です。練習をプラスにするための第一歩です。

  もう一点、ポイントを挙げるとするならば、練習直後のエネルギー摂取です。練習直後は最も体がエネルギーを欲するタイミングです。グリコーゲンを使い果たした状態だと、筋肉自体を分解してエネルギーに変換してしまいます。せっかく鍛えて付いた筋肉が痩せてしまいかねません。できれば、練習が終わって家路につく前に食べるために、おにぎり1個とか持たせてあげるといいのではないでしょうか。逆に考えれば、このタイミングでプロテインも同時に摂取できれば効率的に筋肉増強できると思います。夕飯まで我慢させるのはカラダ作りの観点では実はあまり得策ではないと考えます。そこは、彼らの欲求に迅速に応えてあげるべきポイントと言えるでしょうね。

image3(草野球・少年野球プレイヤーの食生活)

  いかがでしょうか。少年野球の指導者の皆さん、お父さんお母さんに少しは参考になりましたでしょうか。最近は、スポーツも昔のように根性根性でひたすら頑張らせる事がナンセンスである事がようやく理解されてきました。優れた選手にするためには、適度な休養や、質のいい栄養補給が必要不可欠です。楽しみながら、上手くなる事が大切ですし、強くなっている自分を感じながら成長していく事は今後のモチベーションに繋がります。こういった食事の知識・栄養の話も大人との会話の中でわかりやすく教えてあげる事で、自らたくましく成長していく選手となるのではないでしょうか。素晴らしいプレーを支える体の知識、実感を伴うだけに少年野球選手たちにとっても興味深い分野だと思います。お茶の間の話題として共有されてはいかがでしょうか。

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